塾の帰りに東秀で茄子味噌炒め定食を食べようと思って商店街を歩いているとぼくをサイレンを鳴らした救急車が追い越していってファミリー・マートの前で止まった。ファミリー・マートの中をのぞくと人が倒れていた。脚の部分しか見えなかったけれど女性のようだった。救急車はサイレンを止めて停車していたが、病人がいるから救急車が赤いランプを回転させながら停車しているというよりもここに病人がいるということをマークする記号として赤いランプを回転させた救急車が停車しているように見えた。そのまま東秀に入り茄子味噌炒め定食を注文するといつもよりも茄子味噌炒めの量が多かった。食事を終えて外に出ると救急車は不在でそれは病人の不在を指し示しているように見えた。